皆様、こんにちは!ランサムはなです。
昨日から、ATA(米国翻訳者協会)の学会に出席したときのご報告をお聞きいただいています。
1日目は日本語部会の夕食会に参加させていただき、認定試験の採点官の方々にお話を伺ったことを書きました(1日目の記事はこちら)。
2日目はいよいよセッションです。私は土曜日のみの参加だったので、まずは会場の受付でバッジを受け取りました。
受付付近はこんな感じ。
受付の横には、対応言語が一目でわかるように、バッジに貼るための色分けシールが置かれていました。確かに欧州では、二か国語、三か国語対応の翻訳者は珍しくないので、シールがあると便利ですね。私も「Hana」という名前のせいか、チェコ語とスペイン語の打診が来たことがあり(笑)、名前では翻訳者の対応言語が判断できないことを実感していたので、納得だなあと思いました。
(実際には、これ以外にもドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ウクライナ語、ロシア語、スウェーデン語などまだまだたくさんありました)
少し遅れて朝食の会場へ行くと、1000~2000人と言われる各言語の参加者でごった返していました。
普段は日本語と英語にしか注意が向いていない私ですが、こういう光景を見ると、日本語も世界から見たら数ある言語の中の1つに過ぎないことを実感させられます。普段の近視眼的な自分の視点を反省。そして言語の専門家集団が一堂に会しているスケールの大きさには、やはり圧倒されます!
他言語の翻訳者と仲良くなると、お互いをお互いの取引先に紹介できて競争もないのでいい・・・という話も聞いたことがありますが、今回は一日しかないので、他言語の翻訳者さんとの交流はパスして、日本語の翻訳者・通訳者のテーブルを探しました。
なんとか日本語部会の方々が集まっているテーブルを探し当て、皆さんとお食事。前日の二次会で財布を落としたとおっしゃる方もいらっしゃってびっくり!通訳者の方が多いテーブルで、百戦錬磨の方々だけにいろいろなエピソードが聞けて面白かったです。
朝食の後は、悦子グッドさんの通訳セッションに参加。「Interpreting English Figures of Speech」という演目で、英語のさまざまな比喩表現を通訳の現場でどのように訳出するかについて、具体的な例を挙げながら説明してくださいました。比喩にもいろいろな種類があることがわかり、勉強になりました。また、参加者を交えたクイズ形式での質疑応答もなかなかのチャレンジでした。現役の通訳者さんが多いので、さすが皆さん反応も早く、すばらしい英語力。面白いと思ったのは「日本語力の維持・強化」を課題に挙げた方がいらっしゃったこと。日本の学会では英語力の強化を課題に挙げる方が多いですが、ところ変わって英語圏になると、英語力はあって当然なので、逆に日本語力の維持・強化が課題になるんだなあと思いました。どちらの国にいても、その国で使用されている言語と反対の言語への翻訳・通訳は難しいんですね。
こちらはグッドさん。
こちらはセッション前の打ち合わせ中のグッドさんと日本語部会の代表・望月先生。
セッションの後、北海道育ち(!)という通訳者のセリーヌさんをご紹介いただき、記念撮影していただきました。こんなところで北海道の話ができるとは!世界は狭いです!
きれいな方ですね。
会場でお会いした他の皆さんとのおしゃべりにも花が咲きました。
話に夢中になっている間に次のセッションの時間になってしまい、特に行きたいセッションも見つからなかったので、展示会場へ行ってみました。
展示会場では多数の翻訳会社や翻訳ツールの会社がブースを出していました。取引先の名前もちらほら。もう20年以上お世話になっている(+短期間ですが社内翻訳者として働いたこともある)翻訳メモリツール、SDL Studioのブースがあったのでご挨拶に。話してみると、営業担当の方は以前私が働いていた英国本社から派遣されてきていたことがわかりました。
お昼は数人のグループでルイジアナ料理のレストランへ。アリゲーターの肉入りのガンボ(スパイスの効いたオクラ入りスープ)など面白そうな料理があったのですが勇気が出ず、普通のガンボに(写真は撮ったのですが、いやにでかいのでここでは省略・・・)。参加者の方々に話を伺うと、皆さん経歴が本当にいろいろで、しかも密度の濃い人生を送って来ている方々ばかりで・・・う~ん、いつか許可をいただいてブログに書きたいぐらい。なかでも私と同様に、翻訳者でありながら大学で日本語も教えているという日本語部会の代表、望月先生とお話しできたのは収穫でした。いろいろ共通点も多いので・・・。
午後は日英の法律専門の翻訳者、Lisa Hewさんのセッションへ。契約書にありがちな冗長な表現をわかりやすいシンプルな英語で訳出するための秘訣を伺いました。こちらは英語のセッションだったので、日本語の翻訳者だけでなく、ドイツ語、ロシア語、フランス語の翻訳者の方々も来ていて、会場は満席でした。日英の事例でしたが、他言語の翻訳者も面白そうに参加していました。
あっ、それから!拙著を購入いただいたという翻訳者の方にもお会いできました。まさかATAで拙著についてコメントをいただけると思わなかったので、こちらも嬉しい驚きでした。
その日の夕方の飛行機でテキサスに帰らなければいけなかったので、結局、2つのセッションと展示会だけという、超~駆け足な参加となってしまいましたが、皆さんのパワーをいただき、あらためて自分の原点はやはり翻訳だなという自覚を新たに、帰路につくことができました。
とてもいい刺激をいただいたので、皆様にもお勧め・・・と言いたいところですが、とにかく料金が高いっていうのがハードル高いですねぇ・・・汗。
・・・そんなわけで、いろいろと克服すべき課題はありますが、今年は幸運にも参加できましたので、皆様にもこの体験を少しでもお裾分けできければ・・・と思います。
そして最後は、街角で見かけたドラゴンボールZの仮装をしたお兄さんたちの写真を・・・。最後まで楽しませてくれました、ニューオーリンズ。
長くなりましたが、今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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