皆様、こんにちは!
ランサムはなです。
10月15日発売の『写真で見る 看板・標識・ラベル・パッケージの英語表現』について告知させていただいてから、多くの好意的なコメントをお寄せいただき、ありがとうございます!インスタグラム、ツイッターのフォローも続々いただきまして、感謝の限りでございます。
また先日は、看板写真をブログでもご紹介させていただいたところ、早速コメントをいただきましたので、こちらについても後日改めて取り上げたいと思います。
皆様の声援が何よりの励みになっております。どうもありがとうございます。引き続き、応援のほど、よろしくお願いいたします!
・・・さて今日は、先日、ちょっと「もやっ」とする翻訳を見かけましたので、シェアさせていただきます。
米国の某保険会社の説明文の翻訳なんですが・・・
訳文はこんな日本語でした。
「この文書をお読みになれますか?
お読みになれない場合には、読むためのお手伝いをさせていただけます。
この文書をご希望の言語に訳したものをお送りできる場合もあります。
無料のサポートについては、1-800-XXX-XXXXまでご連絡ください。」
・・・う~~~~ん。
いろいろとツッコミどころが満載なのですが、一番気になったのは「お読みになれない場合には、読むためのお手伝いをさせていただけます」という文章。
へりくだっているんだか、上から目線なのかよくわかりません。
そもそも、「お手伝いをさせていただけます」っていう表現も変だし・・・。へりくだるなら「させていただきます」と言い切らないとダメですよね?それでなくても保険会社なんだから。そうしないと失礼になっちゃう。
それに「読むためのお手伝い」って、一体何なんでしょう???
誰かが読んでくれると言っているのか、何か機械を貸し出してくれると言っているのか、さっぱりわかりません。
保険会社は曖昧な表現を好むと聞いたことがありますが、いくらなんでもこんな文章では、お客様の怒りを買いそうです。
釈然としないので英語を見たところ、原文はこうなっていました。
「Can you read this document?
If not, we can have somebody help you read it.
You may also be able to get this document written in your language.
For free help, please call 1-800-XXX-XXXX. 」
ああ、「have somebody help」と書いてあるから、誰か読む人を派遣してくれるってことなんだな、とようやくわかりました。
要するに、視力障害か識字障害かわかりませんが、何らかの事情で文字を読めない方には、音訳スタッフを派遣しますのでお申し付けください、ってことが言いたいんですね。
それならば、なぜそのようにわかりやすく書いてあげないんでしょうか。
「読むためのお手伝いをさせていただけます」って言われても、「じゃあ、お願いします」って気持ちにはなれないと思うんですよね。逆に萎えちゃう。
とってつけたような、誠意の感じられない訳文です。
こういう、英語の原文に引っ張られ、字面だけを置き換えた意味不明の日本語になっちゃっている訳文のなんと多いことか・・・。米国内では特にこういう文章を多く見かけます。
そのたびに、もやっとした気持ちになっているのは、私だけでしょうか。
今回、この件をブログに書いたのは、実はこの文章、某エージェント経由で編集の依頼が来て、私が「これは変だから直して」ってお願いした文章だからなんです。
変な文章であることを時間をかけて丁寧にクライアントに英語で説明して、クライアントも「わかった」って言ったはずなのに、直っていない!
まだこんな文章が大量に印刷されていて、私のところに郵送で来たんです!
郵便を開封したら、お直しを依頼したはずの元の文章に遭遇!
思わず「お~~い~~、頼むよ~」と、天を仰いでしまいました。
こういう翻訳は本当に恥ずかしいので、エージェントさん、お願いですから早く差し替えてください。
本日は愚痴を聞いていただいて、ありがとうございました。