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【セミナーレポート】佐々木サマーズ章子さんによる「翻訳における専門性と獲得方法」

【セミナーレポート】佐々木サマーズ章子さんによる「翻訳における専門性と獲得方法」

本日は、4月20日に佐々木サマーズ章子さんを講師としてお迎えし開催した「翻訳における専門性と獲得方法」セミナーの様子をレポートします。

佐々木サマーズ章子さん プロフィール====

京都で生まれ大阪で育つ。1986年よりコロラド州在住。1997年チェックやテスティングなど社内翻訳者として地元の翻訳会社で勤務。同年、フリーランス翻訳者。専門はソフトウェアローカリゼーションなどITを経て、現在は主にサイバーセキュリティと医薬・ライフサイエンス。英日翻訳が主。1997年よりATAとCTA(コロラド州翻訳者協会)の会員。ATA認定英日翻訳者。2007年よりATA認定試験英日グレーダー。取引先は主に米国翻訳会社だが、欧州を拠点とする翻訳会社との取引経験あり。同志社大学英文科卒。サイマルアカデミー通訳養成コース基礎科修了。

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このセミナーは、やさしい翻訳塾主催セミナーとして好評をいただいている「米国の翻訳会社との付き合い方シリーズ」の一つとして開催されました。佐々木サマーズ章子さんはベテランの英日翻訳者であるだけでなくATA(米国翻訳者協会)英日認定レーダーでもあり、翻訳塾ではお馴染みの大人気講師です。今回は、翻訳学習者や駆け出しの翻訳者の方が悩みがちな専門分野の決め方と、米国を主とした海外市場で仕事を獲得していく中で専門分野を確立してく方法を解説していただきました。

章子さんは、「専門分野がない」と言った悩みを、クローゼットは洋服で溢れているのに「着る服がない」と嘆いている状態に例えています。また、「こうした悩みは専門分野に対する固定概念や思い込みが原因になっている場合も多い」と、章子さん。

例えば、職歴として事務職の経験がある場合。事務職と一言で言っても産業や分野によってその業務内容は大きく異なるはずです。どの産業/分野での事務なのかを明確にすることで特定産業/分野の翻訳に活かせるか(=専門分野)が分かりますし、業務内容は人事なのか(→Human Resources?)、帳簿付けなのか(→Accounting?)、契約管理なのか(→Legal?)と、解像度を上げることで翻訳分野に結びつけることができます。また、ある分野を専門として選んでも、その分野内すべてに対応できるとする必要はなく、「金融(仮想通過)」という風に絞り込んで提示することでも問題ないのだそうです。逆に、エージェント登録時などで翻訳分野を選ぶ際に、すべての分野にチェックをつけることは、「信憑性に欠ける」ことから避けた方が良いとされています。

実績がない場合の突破口として章子さんがおススメするのは、翻訳以外の実務経験を活かした専門性を利用したり、翻訳以外のサービス(review/revision/edit/proofreading や、書き起こしなど)を提供することで、とにかくエージェントの登録にこぎつける、あるいはクラウド翻訳も活用するOJT方式です。クラウド翻訳に関しては、単価がかなり安いというデメリットがありますが、章子さんからは「ボランティアなら一銭ももらえませんが、クラウド翻訳は少しだとしてもお金をもらいながら実績が積める方法の一つ。期間を決めて試してみるのは悪くないのでは」との現実的なアドバイスをいただきました。

セミナーの最後では、これから専門分野を固めていきたい方も、新規の分野を開拓をしたい方も「自分を過小評価しない」、「他人と比べない」、「自分の中の宝物を探すように」、「成り行きに任せることも時には必要」というお言葉をいただきました。自分が今どのステージにいたとしても、真剣に取り組みつつも深刻になりすぎず楽しむことを忘れないでいたいですね。章子さん、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!

テキサス発やさしい翻訳塾では、章子さんが講師を務める「効果的な英文履歴書の書き方」について学べる回もあります。現在、6月開講予定の第11期生のお申込みを受け付け中です。ご興味のある方は、個別コンサルと組み合わせたお得なキャンペーンも5月末まで有効ですので、ぜひご検討ください💕

(執筆:運営局 田中三保子)

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