海外の会社と取引をすることのデメリット(2)

/ 翻訳者・著述家

前回、海外の会社と取引をするにあたって、最初に大きな障害になるのは、英語じゃないかという話をしました。
もう1つのデメリットは、顔が見えないだけに、きちんと払ってもらえるかどうか不安、ということなのではないかと思います。
万一、支払を踏み倒されたりしても、相手が海外にいるのでは、そう簡単に取り立てに行けません。
回収したい金額よりも、飛行機代の方が高くついてしまったりすると、ちょっと悲惨・・・。
仮に取り立てに行ったとしても、押しかけて行ったからと言って払ってもらえる保証はありません。
担当者が不在、なんて言われて門前払いになってしまう可能性もあります。
担当者の顔も見ることができずに引き返すことになったら、時間もお金もまったく無駄になってしまいます。
大体、フリーランスの翻訳者は立場が弱いです。
労働組合もないし、何かあっても守ってくれる団体がありません。
翻訳者団体の中には、代金回収代行サービスなどを用意してくれているところもありますし、個人で支払実績の悪い会社のデータベースを作って公開している方もいますが、できることは限られています。
でも・・・
私の経験からすると、そんなに巷で心配されているようなことは少ない、というのが実感です。
うちは18年間翻訳をやっていますが、支払を踏み倒されたのは本当に数えるほどしかありません。
大抵の場合、一緒に仕事をしたプロジェクトマネージャーをつつけば、何か手を打ってくれます。
翻訳会社の場合、支払は経理担当者が処理をしてくれる場合が多く、一緒に仕事をしたプロジェクトマネージャーは翻訳者が支払を受けたかどうかを把握していないことが多いのです。
それで、前の仕事のお金も払ってもらっていないのに、何も知らずに無邪気に次の仕事を打診してくることがあります。
そんなときに、「次の仕事?前回の未納分を払ってくれたら喜んで手伝うよ」などと言うと、次の仕事をしてほしいので、必死に経理にかけあってくれたりします。
経理の人も、同僚であるプロジェクトマネージャーの仕事に支障が出るので、慌てて処理してくれます。
もちろん、むこうにお金がないときは、こちらが何をしても無い袖は振れないので、どうしようもないですが・・・。
あと、翻訳者のコミュニティはとっても狭い世界です。
ある仕事でご一緒させてもらった翻訳者と別の仕事でばったり鉢合わせをすることも結構あります。
そして大抵、共通の知人の翻訳者がいたりします。
そういう狭い世界なので、「あそこは支払が遅い/踏み倒す悪徳会社」などという評判が流れると、たちまち翻訳者コミュニティに知れ渡ることとなり、多くの翻訳者が警戒して手を引きます。プロジェクトマネージャーは仕事を引き受けてもらえる優秀な翻訳者を探すのに大変な苦労をすることになります。翻訳会社も翻訳者に仕事をしてもらえなかったら経営が立ち行かなくなるので、困ります。
なので、この業界で長くやっていこうと思ったら、悪いことはできないしくみになっているのです。
他の業界も翻訳と同様に、信用がものを言う世界だと思うので、評判などをネットで調べてみて、大丈夫だったら、それほど神経質にならなくても信頼してみてもよいのでは?と思います。

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