怪しい取引先を見分けるための10のヒント

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皆様、こんにちは!ランサムはなです。

お元気でお過ごしですか?

テキサスはもう10月なのに、まだ暑いです。時々涼しい日も出てきましたけど・・・。

さて、今日は翻訳者の方、および翻訳者を目指しておられる方に怪しい取引先について注意を喚起したいと思い、ブログを書いています。

先月末、私のところにこんなメールが届きました。

タイトルは「I NEED YOUR SERVICE TO TRANSLATE A DOCUMENT!」というもの。

内容はこういうものでした。

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“My name is XXX, I got your contact from the American Translators Association’s Directory of Translators and Interpreters and I’m contacting you in regard to an English content document worth 11,643 words (44 Pages). I need this document translated into Japanese. I would like to know if you are interested and available to get this done for me. Please get back to me as soon as you can. Thank you.”
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 かいつまんで言うと、「私の名前はXXX。ATAであなたの連絡先を知りました。11,643語(44ページ)の英語の文書があり、日本語に翻訳する必要がある。興味があって対応可能かどうか、早急に知らせてほしい」という内容です。
 
仕事の打診メールっていうのはほぼ毎日のように来るんですが、怪しいのはこのメールが個人メールらしく、名前は書いてあるけど会社名もどの国の人かもわからないってことでした。ホームページアドレスももちろんない。
 
な~んか変だと思いました。
 
まくしたてるように書いている割には、書き手の個性がまったく伝わって来ないんです。
 
そもそも「Dear Hana」とか宛先も書いてないし・・・。
不特定多数の翻訳者に送り付けていることは明らか。
 
まるでメールのひな形があって、「Japanese」の部分だけ言語を入れ替えて送って来ているような?怪しい印象を受けました。
 
何か変だ。
 
そう思ったので2日ほど放っておいたんだけど、ちょっと気になったので、2日後に「これだけじゃよくわからないから、英文を見せてもらえる?」って返信してみたんです。
 
そしたら速攻でこんな返事が来ました。
 
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“I’m pleased to know you are interested in handling this project. However, I will require your service to translate the attached English document. In the mean time, could you also confirm your charges per page, per source word or for the entire translation? The deadline for this Project is 1 month starting from 29/09/2017.

Finally, what would be your preferred mode of payment? Though I’m proposing a certified bank draft, a cashier check or bank certified check. Please do not hesitate to confirm if this is okay with you? I look forward to reading from you soon.”


↑またまたかいつまむと、「このプロジェクトに興味を持ってくれて嬉しい。しかし、添付の英語文書を翻訳してもらわなければならない。まずは料金をページ単位、ソース単語単位、または全体でいくらかかるか確認してもらえるだろうか?締め切りは9月29日開始で一ヶ月とする。

最後に、支払い方法は何がいいか?当方は銀行支払保証付き為替手形、現金小切手、銀行支払保証付き小切手を希望する。これで異存がないか、遠慮せずに確認してくれないか?返事を待つ」というような内容の返事でした。

 
・・・で、翻訳対象のワード文書というのを送って来たんです。
で、拝見したところ内容はごく一般的な文書なんだけど、これまた出典も何も書いていない。
日付の書き方を見る限り、アメリカ人ではなさそう・・・
 
でも私、これを読んで、ますますおかしいと思ってしまったんですよね。
特に、「開始から1ヶ月以内で仕上げてほしい」っていうのと、「銀行為替手形、現金小切手、銀行支払保証付き小切手のいずれかで支払いたい」って書いてあるのを見て、とある記憶が蘇り、ぎょっとしました。
 
以前、似たような問い合わせがあって、そのときも変だと思っていろいろ調べたときに、別の言語の翻訳者がこの話に引っかかって不渡り小切手をつかまされた、という話をどこかで読んだんです。
その話も「1ヶ月以内」で、内容が人種差別だか何だかで、小切手支払いだったんですね。
そのパターンにとてもよく似ている気がする。
 
そういうわけで私はここでコンタクトを取るのをストップしたわけなんですが、そしたら先方は2回ぐらい同じメールを転送して来ました。でももちろん、取引する気はないのでスルー。
 
そのあと、いつもメールをやり取りしている翻訳仲間とのおしゃべりメールで、この件について話していたんです。
そうしたら、なんと!カナダ在住のお友達翻訳者のところにも同じメールが来ていたことがわかりました。
差出人は別の名前だったけれど、11,643 ワードで44ページという件りは全く同じ。
いや~、受注していたらどんな顛末になっていただろうと思うと、背筋が寒くなりましたよ。
 
このやり取りを聞いていたアリゾナ在住の先輩翻訳者さんが「はなさん、長年フリーランスで仕事しているから、だなと直感的に思う仕事は絶対なんですよ。」って言ってくれました。
いや~、請けなくて正解でした。
 
こういう詐欺まがいのメールを英語では「Scam」って言うんですが、駆け出しの方や経験年数の浅い方は、見分けが難しいこともあると思います。
 
そこでこの機会に、Scam特徴を挙げてみました。
 
1. 無料メールアドレスを使って打診が来る場合が多い
 
今回、私のところに来たメールもGmailでした。Gmail とかヤフーとか、無料メールアドレスが使われていることが多いです。
 
2. 何度メールをやり取りしても、相手の素性が明らかにならない
 
私も2回やり取りをしたけど、何もわからないままでした。一度返信したときに、しっかりしたところなら2回目に自己紹介をして、自分の会社名やどの国から送ってきているかを説明してくれると思ったんだけど、それがなかった。ステップメールかと思うほど、パターン化されてるメールが来ただけでした。こういうのは要注意です。
 
3.差出人の名前がすごく平凡
 
相手が素性を名乗ってくれないので検索エンジンにかけてみましたが、何も特徴が上がってきませんでした。日本語の「山田太郎」的な、「John Smith」とか「Jane Doe」とか、まったく特徴のない名前でした。追跡不可能な平凡な名前、危険です。
 
4. 差出人の住所・電話番号が書かれていない
 
名前はおろか、住所も電話番号もありません。ますます怪しい。
 
5. 差出人のホームページがない
 
立派なページである必要はないけれど、今どきホームページもない会社はワケアリなところが多い。百歩譲ってホームページがないところは、せめてメールにフッターや署名ぐらいは記載してほしい。
 
6. 宛名が書かれていない
 
これって超失礼な話ですよね。たまに大手のエージェンシーが「Hi linguists」とか書いて来るメールもちょっと腹立たしいですが、それすらないのは不快を通り越して不気味です。しかも2回目の返事にも宛名が書かれていないということは、うっかり忘れたわけでもなさそうです。
 
7. テンプレートの一部を差し替えただけのような文面
 
きっと「Japanese」というところと「American Translators Association」の部分を入れ替えて、使い回ししているんだろうな~というのがありありとうかがえます。
 
8. 英語がお粗末、またはロジックが変
 
「興味を持ってくれて嬉しい。しかし、翻訳してもらう必要がある」とか、妙なところに「However」が入っていて、論理がめちゃくちゃです。「遠慮せずに確認してくれ」っていう言い回しもあまり見ません。一体、どこの国の方が書いたメールなんでしょうか。
 
9. 翻訳対象文書の出典がわからない
 
今回、送り付けてこられたファイルも出典が記載されていませんでした。内容的には「偏見と差別」とか「公共団体の手続き」とか「紛争の解決方法」とか、専門性が低いので多くの翻訳者が手を出しそうな内容。想定読者も不明。文書の内容について検索をかけても、もちろん何も上がってきません。
 
10. 小切手での支払いを要求する
 
ここ重要です!小切手で支払うと言って、入金してみたら不渡りになったとか、前払いと言って多額の小切手を送り付けてきて、返金を求められ、返金した後で小切手が不渡りになる、などの事例が報告されています。日本の方は小切手の換金手数料が高いからあまり手を出さないと思いますが、海外在住の方は慣れているだけに、逆に要注意だと思います。
 
上記の怪しい条件がたくさん当てはまるメールが来たときは、すぐに手を出さないこと。そして次のようなサイトで被害報告が載っていないかどうか調べてみましょう。
 
◎Translator Scam Alert Center:
https://www.proz.com/about/translator-scam-alerts/
 
◎Translator Scammers Directory:
http://www.translator-scammers.com/translator-scammers-directory.htm
 
 フリーランスの方は一人で仕事をしているので、ついこういうメールが来ると、知らずに手を出してしまうこともあると思います。ですのでお知り合いに翻訳者の方がいたら、ぜひ教えてあげてください。
 
 みんなで情報交換し合って、こういう被害を未然に防いで行ければいいなと思います。
 

2件のコメント

  1. しろもつ より: 返信

    初めまして、名前は伏せますが。しろもつとさせていただきます。とてもお恥ずかしい話ですが2月上旬にロマンス詐欺というのに出くわしました。危うくお金を払うところだったと思うとほんとに自分の愚かさをおも知るばかりです。某サイト”speaky”を始めたところ。詐欺師がうじょうじょおりました。危うくお金を払うところだった男性のほか、次から次へとシリア、イラク、ソマリアなど、決まって中東で働くカナダ人、アメリカ人てのが現れ、2回、3回やり取りしただけで、直ぐにI love you, sweet heart←間違えてるかな?と言い出す始末です(笑)最初の男性からは脅迫的なことを言われて追い込まれた挙げ句、払わなくちゃいけないの?と困って、知り合いに聞いたらロマンス詐欺です❗といわれて、はっとしました。それからはまたか。と思ってブロックし続けました。英語学習のためにそのアプリを習得したのに。えらいめに会いました。しかしながら、そのお陰で?英文の読解力も少しだけ掴めるように…なんと情けない。こんな私みたいアホもいますが、他の方は絶対被害に遭われないよう希望します

    1. RansomHana より: 返信

      しろもつさま、コメントありがとうございます。ロマンス詐欺なんていうのがあるんですね!びっくりです。お金を巻き上げられなくて本当によかったですね。そして英文の読解力がついたのは思いがけない収穫でしたね。でも本当に世の中にはひどい人がいるものですね・・・お互い気を付けましょう。

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