北海道の方言で気になること

c005-018
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皆様、こんにちは。ランサムはなです。

暖かいテキサスから北海道に帰って来て、ほぼ二週間。

三ヶ月離れていただけですが、溜まっていた郵便物(年賀状とか)の整理、マイナンバー関連の書類提出、記帳、食材の買い出しなど、まあいろいろやらなきゃいけないことが山積み!

病院通いもそのうちの1つです。

で、このところ近くの歯医者さんに足繁く通ってるんですが・・・どうもひっかかることがあって。

聞いてもらえます?

実はね、この歯医者さん、

はい、椅子倒れまーす

はい、水かかりまーす」って患者さんに言うんです。

「水かかりまーす」はまあ、いいんです。

けど、「椅子倒れまーす」。

・・・これが妙に気になる。

自動椅子じゃあるまいし、なぜ無生物主語を使うのか??

椅子を動かしているのは先生なのに、なぜ「(私は)椅子を倒します」と言わないのか?

これが違和感MAXなんですよねえ。

だってこれ、英語で考えると、すごい変なんですよ。

強引に直訳すると、「The chair is falling/reclining」(椅子が倒れているもたれている)?←どのみち間違いだから、覚えないでね、皆さん。

椅子が擬人化されてて、自分で倒れているみたい。

だけど違和感を覚えているのは私だけみたいで、周囲を見回すと、全然普通の顔をして治療を受けている。

これって、他の地域の病院でもそうなんでしょうか??

それとも北海道だけ?

すっごい気になる。

あんまり気になるので、一人でいろいろ考えてみました(以下、独り言)。

「先生はなぜあんな表現を使うんだろう??」

「ひょっとすると、『椅子を倒します』って言うと、主語が『私』になっちゃうから、何かあったときに責任を取らなければいけないと考え、責任を回避したんだろうか??」

「日本でも裁判沙汰にならないように、医療従事者は責任の所在を明らかにするときに、自分が余計な責任を取ることにならないように、最大限に注意しているんだろうか??」

「・・・まさか北海道で裁判とか、それはないだろ?」

・・・などと、勝手に妄想がどんどん膨らんで行く私であります。

でも、こうして考えて見ると、北海道弁って、標準語に比べて「誰も責任を取らなくていい」という言い方が多いような気がする。特に無生物主語の変な受け身が多いんですね。

たとえばですけど、

「このペン、書かさらない」とか言うんです。

「ボタンが押ささらない」とか「ベルトが巻かさらない」とも言う。

「ボタンを(押しても)押せない」「ベルトを巻けない」って標準語の人なら言うところですよね。

「ベルトを巻けないのは(太っている)君が悪いんじゃない、ベルトが悪いんだ!」みたいな?

さりげな~く責任転嫁できるから、便利っちゃあ便利なんですよ。

今、Wikipediaで調べてみたら、上手な説明が載っていたので引用させてもらいました。

(以下引用)

———-

共通語では、動詞の形が「開けられない」「書けない」で、「しようとしているのに」の補足なしには、「自分にはできない」「不可能」の意味と同じになってしまうが、北海道方言の自発的表現では、動詞の活用そのものに「自分が悪いのではなく、対象物が悪い」の意味が内包されているため非常に便利であり、多くの場面にこの表現が当てはめられる。「この鉛筆、書かさらない」、「電気が消ささらない」

またその逆に、人に向かって注意を喚起する際、この表現を用いれば「誰が悪いとは言わないが、対象物がそうなっている」という意味合いが出せるため、相手にあまり負担を感じさせずに言うことができる。「あの部屋、誰もいないのに、ストーブ焚かさってるよ。」「この値段、20%引かさってないんですけど。」

(引用終わり、太字強調は私)

———-

いやー、三つ子の魂百までとはよく言ったもので、私なんか18歳で上京して以来、北海道弁から離れて生活していた時期が長いのに、アメリカで技術文書の翻訳をしているときに「ボタンが押ささらないときは・・・」って言いたい!・・・と思うことが時々あります。

・・・まさか北海道弁の技術文書なんてありえないから、きっちりと頭の中で直しますけどね。

でもね、北海道弁が、誰かを責めることがないように、ものすごく配慮されている方言であることは、間違いないんじゃないかと思います。やさしいっていうんだか、ずるいっていうんだか・・・。

・・・ひょっとすると、東京とか本州から移住して来られて「北海道大好き!」という方達の中には、そういう「誰も悪くない」「責めるのはやめようや」的な雰囲気に、癒やしというかおおらかさというか救いを感じている人もいるのかもしれませんね。

(・・・とはいえここだけの話、「誰も悪くない」とか言ってると、お節介な部外者が出てきて仕切り始めるのが田舎の困ったところでね。良いことばかりじゃないんです。海外生活の長い私なんかは、こっちの方がむしろ耐えられなくて「ひぇ~」って思っちゃいますが・・・。)

まあ、田舎暮らしにもいいところと悪いところがあってね。

都会で暮そうが田舎で暮そうが、どっちも一長一短だと思うんですよね。

・・・ともあれ、病院での「椅子倒れます」から、北海道弁と北海道の気質にまで話しが及びましたけど。

言葉の選び方って、結構性格が出るというか、人格形成に影響を及ぼしているところが大きいと思うので、つい注意して聞いてしまいます(職業柄かもだけど)。

いずれにしても、やはり北海道が、ちょっと本州とは一線を画す個性的な一面を持ち合わせていることは間違いなさそうです。

あ、病院ということで思い出しましたけど、以前、本州出身で、アメリカ人のご主人と数年間北海道に暮した友人に「北海道って、看護師さんが赤ちゃん言葉で患者さんに話しかけるのでびっくりした」と言われたことがあります。

何のことかわからなかったんだけど、「○○さあ~ん。おねつはかりますよ~」っていう間延びした言い方が、「本州では聞いたことない」って言うんですよ。

えっ?

本州の病院は、違うの?

いやー、北海道の病院も最近は番号制になって、もっと事務的対応になっているとは思いますが・・・

ひょっとすると北海道には、独特の「病院言葉」があるのかもしれないですね。

今度病院に行ったら、実例を拾ってみようかな?・・・と思います。

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