皆様、こんにちは!
ランサムはなです。
この夏は、10月15日発売の本『写真で見る 看板・標識・ラベル・パッケージの英語表現』の執筆に追われて、あまりまとまった大型翻訳案件のお手伝いができなかったのですが、数件、ちょっと特殊な翻訳のお手伝いをしました。
個人のお客様からの依頼で、手紙を翻訳したのです。
1件目は日本在住のお客様で、アメリカ人のお友達との関係が壊れそうなことを心配している方からの依頼。日英翻訳だったので、夫とチームを組んで対応しました。
2件目は、日本人女性を母親に持つ、日本人とアメリカ人のハーフの女性。お母さまがアメリカでお亡くなりになって、日本に遺骨を持って行く予定があり、日本のご親戚の方とのやり取りを翻訳してほしいという方。
3件目は、こちらも日本人とアメリカ人のハーフの女性で、ご両親が30年以上も日本にお住まいだったのですが、日本人のお母様がお亡くなりになり、アメリカ人の高齢のお父様を日本で一人にするわけにいかないので、アメリカの老人ホームに引き取る予定だという方。こちらは日本の銀行とのやり取りをお手伝いしました。
私たちのように、翻訳で生計を立てている者は、普通は翻訳会社に登録をして、生活していけるだけの仕事を請けるので、あまり個人のお客様と直に接する機会がありません。
個人の方でも、翻訳の需要が発生することは当然あるわけですが、でも個人の方は、意外にどこに連絡をしていいかわからないことが多いんだなということを実感させられました。
今回お問い合わせをいただいた方々は、知人のつてとか、テキサス大学のホームページ経由で私に連絡をくださいました。
翻訳者って、本当に影武者というか、目に見えない存在。ブログ書く時間があったら、一語でも多く翻訳していたいという理由で、ブログを持っていない翻訳者さんも結構いますからねぇ。売れっ子になればなるほど、家の中に引きこもりになりますしね。
そして今回、翻訳をお手伝いさせていただいて実感したのは、お客様は葬儀とか遺骨とか、人間関係の修復とか、そういう特別な状況においては、機械翻訳がかなり発達した現在でも、人間翻訳を選ぶんだなということでした。
関係をこじらせないように、慎重に言葉を選んで話を進めたい。そういうときにはやっぱり、不愛想な機械翻訳は危険すぎる、と考えている人が多いことが実感できました。
やはり心をつなぐときは、人間翻訳者が立ち会う必要があるし、お客様もそれを望んでおられるのですね。そういう大切な瞬間に立ち会う機会を与えていただいたことは感謝でした。
お母さんの遺骨を携えて日本へと旅立ったお客様は、