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社内翻訳者を卒業しました

皆様、こんにちは~。
お元気でお過ごしでしょうか?
いや~、いろいろありまして・・・
ブログの更新が滞っておりました。
前回のブログで、社内翻訳者を2年2ヶ月やってみたけれど、どうも合わない、という話をちょっとしていたと思いますが・・・。
結局、フリーに戻ることに決めました。
・・・やっぱねぇ、「適材適所」って言うとおり、人には向き・不向きってのがあるんだねぇ。
つくづくそう思う。
・・・そもそも高校時代から、私大進学コースを選択し、理数系科目をことごとく避けて、英語ばかり勉強して来た、120%文系の自分が、技術会社に入ったこと自体が、冗談(失礼)、いえ奇跡みたいな話で。
前回のブログに書きましたが、「米国の医療保険」という切羽詰まった事情がなければ、考えもしないような大挑戦だったんですね。
言ってみれば、音符も読めないのに音大に入っちゃったよ・・・
周囲はみんなショパンを弾いてるよ・・・
さぁ、入ったはいいけど、これからどうしよう?・・・
・・・みたいな?
場違い感はもう、ハンパなかったです。
まるで私は、地球に一人降り立った、異星人級の異色の存在・・・
もう「E.T フォン・ホーム」って感じですよ。
(↑若い世代の方、わかるかな?)
・・・そういう自分の限界を自覚していたので、実を言うと、入社した当初から、「こんなバリバリの技術会社、果たして大丈夫かオイ>自分?」という不安はありました。
唯一の望みは、配属先が製品開発ではなく、翻訳などをするローカリゼーション部門だったこと・・・
・・・普通、ローカリゼーション部門って言ったら、曲がりなりにも言葉を扱う部署でしょ?
バリバリ理系/技術系の会社であっても、製品開発やプログラミングをする部門とは、ちょっと毛色が違うのでは?
・・・というのが、私にとっては一縷の望みでした。
私は、自然で読みやすい文章だとか、細やかな言い回しだとか、読み手を意識したわかりやすい訳文ってのを売り物に、リピーターのお客さんを増やして来たタイプの翻訳者・・・。
だから、ローカリ部門が、お客様にもっと読みやすいマニュアルをお届けしたいとか、品質改善を考えているのならば、こんな文系の私でも、お役に立てるチャンスはあるんじゃないか?
・・・そんなふうに思っていたんです。
だけど・・・
そんな希望的観測が無残にも打ち砕かれるまでに、それほど時間はかかりませんでした。
世の中、そんな甘いものじゃなかった。。。
・・・何しろ、部門のトップはフランス人のエンジニア。
ローカリ部門立ち上げのときからずっと責任者だったようですが・・・
(↑なーんか風貌も言動も「洋風ジャイアン」って感じで、私的には苦手なタイプ(泣)・・・)
外国人だから、当然日本語はわかりません。
そして、このジャイアンの下で働く私の上司も、日本人だけどエンジニア・・・。
「翻訳はできないし、わからない」と口癖のようにおっしゃっていました。
つまり、訳文のよしあしを判断したり、翻訳を直したりする立場の人が、いない部門だった。
こりゃー私にとっては、絶体絶命ですよ。
これまで外で評価されてきた物差しが、ここでは通用しないわけですから・・・。
それでも、翻訳の質はわからないから、翻訳者を信頼するので好きに翻訳していいよというのなら、まだよかったのですが・・・。
私にとってネックになったのは、翻訳業界とはまったく異なる基準で、翻訳者の実力が評価されていたことです。
この部門、製品をローカライズ/翻訳しなきゃ、って事態が生じると、その都度、付け焼刃的に即席チームを組んで、試行錯誤を繰り返しながらソフトウェアとマニュアルを翻訳→出荷するという作業を繰り返しているうちに、規模が大きくなっていった様子で・・・
製品Aではヘルプのコンパイルを自動化しよう、
製品Bではヘルプのコンパイルは手作業で、でもスクリーンショットの撮影は自動化しよう、
製品Cでは工程を丸々自動化しよう・・・という具合に、
製品/プロジェクトごとに工程がバラバラ。
プロジェクトが立ち上がる/問題が起きるたびに、エンジニアが対症療法的に新しいツールを作って行くので、翻訳者は7つも8つもこういうツールの使い方を習得することに時間の大半を取られる。
しかも、市販されている商品と違って、こういうツールって、開発途中で提供されるので、うまく機能しないこともある。
・・・というか、そういうことの方が多かったりするんですよね。
なので翻訳者であっても、年がら年中不具合を報告したり、回避策を話し合ったり、アップデートが出たら試す、ということをやっているわけです。
これじゃあ業務全体の20~30%しか、翻訳に専念できないはずですよ。
要するに、エンジニアの卵みたいなことができる翻訳者が優秀とされ、それができない翻訳者は無能扱いされていたんですね。
エンジニアとしての訓練を受けていない私にとっては、断然形勢不利・・・という状況だった。
まあ、エンジニアの基準で翻訳者を測ったら、そういう評価になるのかもしれません。
それに・・・
翻訳の中身とか質に関する話は、完全にタブーというか、「見ざる、言わざる、聞かざる」状態だったから、他に評価する基準がなかったのかもしれません。
でも、あまりにも翻訳業界とは大きく一線を画す、独自路線を突き進むやり方で・・・
私だってな~んちゃって技術会社社員だから、人のこと言えた義理じゃないけど・・・
オタクもなかなか、な~んちゃって翻訳になっちゃってませんかい???
・・・と思ったけど、何せ相手はジャイアン・・・。
こちらの言うことに耳を貸しそうもない・・・。
ヤバイ、こりゃあまりに接点がなさすぎる・・・。
こっちが耐えられなくなって辞めるか、向こうが技術力不足を理由にこちらを解雇するか、時間の問題だな・・・
・・・と、入社してすぐに思いました。
とりあえず、医療保険の加入実績を作るために入社したので、2年はもってほしいなあ・・・。
2年はクビになりませんように・・・
・・・と、期間限定になるであろうことを強く意識しながら、ジャイアンと根比べをする社内翻訳者生活だったのです。
次回は、社内翻訳者としてどんな生活を送っていたかを書いてみたいと思います。

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社内翻訳者を卒業しました」への8件のフィードバック

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    アメンバーのアメンバーをドンドンたどっていたらここに行き着きました。表現のしかたが私と違って、ブログを書くときの参考になりました。多分、私のブログは相当色濃く、私のキャラクターが出ています。。。良かったら見てね(^_^;)

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    お邪魔します!彡ネットサーフィンしていたらたどり着きました(´・ω・`)!シンプルでうまいブログですね~(゚∇^d)分かりやすいって大切ですよね☆アメブロ、始めたばかりの者ですがよろしくお願いします!ではでは~(o*・ω・)ノ

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    どこから舞い込んでしまったのかは分かりませんが、初めましてニートです。その世界を見たくなったらこのブログを見て気持ちを落ち着かせているんです。今でも風で飛んでいきそうな私のブログですが、ご覧いただけると幸いです。

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    ども!勉強のためおもしろそうな記事を探していた所です(=^・^=)こうやって知らない人とコミニケーションできるのっていいですよね♡お邪魔しました!またちょくちょくきますね♪これを機に仲良くして頂けると嬉しいです☆

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    はなさん、お久しぶりです。
    とうとう会社辞める決心をされたのですね。
    長い間お疲れ様でした。
    フリーに戻ると健康保険のことなどまた心配なこともあるでしょうが、自由になってよかったですね。
    これからも頑張ってください。

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    >ちかこさん
    ちかこさん、どうもありがとうございます~。いろいろ話など聞いてくださって、ありがとうございました。会社の福利厚生は抜群だったので、それがなくなるのは残念ですが、何分落ちこぼれていましたのでね・・・やはりフリーが向いていたんだなと思います。これからは自由になったので、あちこち出没しますよ~。

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