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アメリカの翻訳会社と仕事をして不思議に思ったこと

皆様、こんにちは!
このところ、大雨や地震のニュースが続いていた日本ですが、一段落しましたでしょうか。
数日前から、今度はテキサスでも局地的な大雨となっています。
雷が立て続けに落ちて、短時間ですが、停電した地域もあった模様。。。
世界各地で穏やかでない天気が続いていますね。
さて、前回、ブログ記事100本達成のお礼の記事を書いてから、これからどういう記事を書いて行ったらいいだろう・・・と考えていたのですが・・・
ここ最近、翻訳者のブログと言う割には、翻訳に関する話題をあまり書いていなかったな~・・・と思い至りました。
そこで今回は、久々に翻訳関連の話題にしたいと思います。
翻訳業界に足を踏み入れてから、早いもので今年で19年目・・・
日本、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、フランス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルなど、世界中のさまざまな翻訳会社とお取引をして来ましたが・・・。
1つ不思議に思っていることがあります。
それは、米国の翻訳会社で、なぜか仕事を米国外に発注したがらない会社が、意外に多いということです。
どうしてだろう・・・。
急ぎの仕事で、すぐに納品してほしいとか、そういう特別な事情があるときはわかります。
時差を考慮していると、時間のロスになることがありますからね。
でも、時間的に余裕があるときでも、アメリカの翻訳会社は、アメリカ国内の翻訳者に優先的に声をかける傾向があるような気がします。
いざと言うときに電話連絡が取りやすいとか、英語でのコミュニケーションに不安がないとか、確かに多少の地の利はあるかもしれないですが、それにしても他の国と比べてこの傾向が強いような・・・。
イギリスとか他の国の翻訳会社とのお取引では、このように感じることは少ないです。
他の国の会社は、確かに現地在住の翻訳者にも声をかけるけれど、日本在住の翻訳者にも同じように声をかけるし、国内・国外を問わず、比較的平等に機会を与えてくれているように感じます。
なかには、「対象言語(この場合は日本語)を母国語とする現地(日本)在住の翻訳者しか使わない」ことをセールスポイントにして、日本在住の翻訳者しか使わない会社もあったりします。
英日翻訳者にとっては、日本在住であることは大きなメリットでありこそすれ、不利になることは決してないのですから、そのような方針も私は納得できます。
私が発注する立場だったら、こういう会社の方が信頼できると思います。
日本在住で、実力のある翻訳者は、本当に優秀ですし・・・。
それなのに、なぜアメリカの一部の会社は、アメリカ国内の翻訳者に限定して声をかけようとするのか・・・。
私には不可解でしょうがありません。
自由競争を奨励している国らしくないと思います。
まあ、アメリカの会社であっても、世界中の翻訳者に声をかけている会社もたくさんありますし、全部が全部、在米の翻訳者を優先しているとは思いません。
それに、ひょっとすると、日本や他の国にも、国内在住の翻訳者を優先させる会社があるけど、私がたまたま知らないだけかもしれません。
でも、経験上、アメリカにはこういう会社が多いような気がする。。。
私はもともとアメリカに住んでいたときに翻訳の仕事を始めたので、最初は米国国内の会社しか取引先がありませんでした。
それから徐々に取引先を増やして行き、日本の会社にも登録させていただくようになりましたが、それでも最初の数年は取引先の半数以上が米国の会社でした。
そういう事情があったので、2003年に日本に戻ることを決めたとき、米国の取引先が日本に行ってからも仕事を送ってくれるかどうか、とても不安でした。
日本に帰省することを伝えたときに、「日本でも仕事をします」と言っているのに、こちらが休暇を取っていると言ったかのように声をかけてくれなくなる会社があったので・・・
ちょっと嫌な予感はしていました。
ちょっとアメリカを留守にするだけで仕事を回してくれなくなるのなら、日本に引っ越したらどうなってしまうのか・・・と思ったのです。
田舎暮らしだったので、他の仕事を探すという選択肢もありませんでしたし・・・
仕事が来なくなるかもしれない・・・と考えると、ちょっと怖かった。
フタを開けてみると、予想していたとおり、米国の取引先の3分の1ぐらいは、私が日本に帰国してからは、声をかけてくれなくなりました。
まあその分、日本や他の国々の会社が声をかけてくださって、首がつながりました。
「捨てる神あれば、拾う神あり」だなあ、と思ったわけですが・・・。
今どきインターネットがあれば、どこにいたって仕事ができる世の中なのに、よりにもよってインターネット大国のアメリカの会社がこういう反応をするというのは、私には非常に奇妙に思えてしまうわけです。
アメリカの会社と仕事をして、もう1つ不思議に思うのは、支払いに少額のドル建て小切手を送りつけてくる会社が非常に多いことです。
ご存知の方もおられるかと思いますが、翻訳会社とのお取引では、仕事が終わるとこちらから請求書を出して、期日が来ると先方からその金額を支払っていただきますが、外国送金を受け取る場合、いくつかの方法があります。
日本在住の場合、日本の銀行口座に電信送金していただくのが最も一般的な方法かと思います。
2000~3000円程度の手数料が差し引かれますし、いちいち銀行からおたずねの電話が来るので多少面倒ですが、一番確実で入金までにそれほど時間もかかりません。
ところがアメリカには、電信送金は手数料がかかるからと言って、ある程度の金額に達しないと送金を渋る会社があります。
そして、一定の金額に達していない、少額の請求分をドル建て小切手で郵送してきます。
小切手を振り出す分には、先方に手数料はかからないからです。
しかし、こんな紙切れを日本に送ってもらっても、この小切手を換金するのにこちらは外為取立手数料として2000~5000円程度取られます(手数料は銀行によって異なります)。
しかも申込用紙に記入をしてから、入金されるまでに一ヶ月もかかるのです。
額面が25ドルの小切手を換金した場合、手数料の2000円を差し引いたら、手元に500円程度しか残りません。
一ヶ月も待たされた挙句、500円しか入金されないのでは、あまりにも情けない。
タダ働きも同然で、バカバカしくなります。
手数料を差し引いたら、マイナスになってしまうので、換金を諦めたこともあります。
他の国の翻訳会社の場合、自国通貨の小切手を日本に郵送してくるような会社には出会ったことがありません。
少額の場合、PayPalとかSkrill(旧Moneybookers)とか、電信送金以外にも手数料が少額で済むいろんな方法がありますから、そういう方法で支払ってくれます。
ドル建て小切手を郵送して、自国のやり方を一方的に押し付けてくる会社は、ちょっと他の国に住んでいる翻訳者への配慮が足りないんじゃないかと思ってしまいます。
まあ、こちらが高い手数料を払わされているということを知らないだけで、事情を説明したらびっくりしてPayPalに切り替えてくれた会社もありますから、ケースバイケースではあります。
「話せばわかる」ということもあるので、こちらとしても歩み寄る努力を怠ってはいけないとも思いますが・・・。
何だかなあ。
まぁ、いろいろですよ。
アメリカって、社交的でオープンなイメージが強くて、いいところもたくさんあるけど、実は意外に外に目が向いていないんじゃないか・・・と思うことがあります。
以前、苫米地英人さんの本を読んでいたら、何かに「そもそもアメリカ人というのは非常にドメスティック(内向的)な人たちですから、外交にもあまり興味がない」と書いてあったことを思い出しました。
社交的というステレオタイプから見ると正反対の分析だけど、それってなんかわかる~・・・と、妙に納得してしまったのでした。
以上、あくまでも個人的経験に基づく感想ではありますが、不思議に思ったことを書いてみました。
理屈的には世界のどこにいても仕事ができても、国民気質とか物の見方によってそれが100%実現されないこともある、と思えばいいのでしょうかねぇ。
お読みいただいて、ありがとうございました。

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アメリカの翻訳会社と仕事をして不思議に思ったこと」への6件のフィードバック

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    アメリカ在住で仕事の99%をアメリカの翻訳会社からもらっている身であると、アメリカの翻訳会社がいつまでも今の保守的な姿勢を維持してくれることを願うのみですが(笑)、支払いもたしかに小切手が99,9%です。それもミニマムチャージの仕事1つの支払いでも小切手ですから、なんか切手代のほうが高いかな?みたいな気もしちゃいますが。でも、入金処理をする私のほうもやっぱり小切手のほうが楽なんですよ。月に2回くらい銀行に小切手持って行って入金して、それをQuickBooksに記録して、とシステムが確立しているので、逆に口座に直接振り込まれるとなんとなく面倒kさいなって気がしちゃう。それだけ別にQuckBooksでデポジット記録しなきゃならないし、下手に手数料かかっているとそれも記録しなきゃならないし。かくして、在米のフリーランスと米国の翻訳会社は私が仕事を始めた25-26年前からまったく同じやり方で仕事を今日も続けているのでした。。。

  • baba-neko

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    え~、そうなんだ。
    私は海外の会社から仕事を受けたことないけど、PayPalでの支払いがメインかと勝手に思っていました。
    日本では今は小切手ってあまり一般的じゃないと思うけど、大昔に一度だけ小切手での支払いがあって(日本の会社)、当然円建てだけど、手続きがすっごくめんどくさかったような気がします。銀行に持って行って「これ、どうしたらいいの」って尋ねた覚えが。。。たぶん当時はまとまった金額だと小切手だったのかもしれません。
    小切手って使い慣れていないからだと思うけど、現金取引がやっぱりいいな。

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    >akichanさん いや~この小切手ってやつは実に曲者だと思います。一度英国からポンド建ての小切手を送ってきたことがあったので、米国の銀行に持って行ったらとっても嫌な顔をされました。自分たちだって同じことしてるのになぁと思ったけど・・・国をまたぐと本当にいろいろ面倒くさいですね。

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    >baba-nekoさん 本当に現金取引がいいですよね。小切手になると管理が面倒だし。日本みたいに安全な国だったら、現金を持ち歩いても全然安全だし。とにかく米国のやり方を押し付けてこられるという思慮のなさが嫌ですね。

  • 通りすがり

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    自分の取引する米国クラでは、翻訳者同士でチャットして用語を統一したりするのと、翻訳者の代表がソークラとの連絡窓口になるので、どうしても北米在住者が優先されますね。日本在住だと、寝ている間に重要事項が決まってしまい、大慌てすることも珍しくありません。あと、自分は、投資のために海外銀行の口座を開くのが趣味でした。それが今になって翻訳料を受け取るために非常に役立っています。

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    >通りすがりさん コメントありがとうございます。う~ん、今みたいにどこにいてもネットがあれば仕事ができる世界になっても、お金の出る場所(ソースクライアント)の都合で物事が決まってしまうという風潮が厳然と残っているのは否定できない事実ではあります。私も時々、「現地(日本)在住の翻訳者に確認しなくていいの?」と思うことがありますから・・・。残念ながら、翻訳者の立場ではどうすることもできませんが・・・。あと、投資用に海外銀行の口座を開いておくという方法があるのは初耳でした。私も調べてみたいと思います。貴重な情報をありがとうございました。

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