Google翻訳の精度向上のニュースを読んで

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皆様、こんにちは!ランサムはなです。

お元気でお過ごしですか?

先週(2016年11月第2週) はびっくりしましたねー・・・。

アメリカ大統領選挙・・・。

翻訳業界では、トランプさんの勝利と同程度、いえそれ以上に(?)マグニチュード最大級のニュースが飛び込んで来ました。

Google翻訳の精度が上がった

”ニューラルネット機械翻訳”を導入した結果、以前と比べて翻訳が格段に進化した。

翻訳業界の将来は暗いぞ」みたいな話です。

正直、このままGoogle翻訳の精度が上がり続けたら、翻訳の仕事がなくなっちゃうんじゃないか・・・って心配している人もいるかもしれません。

私もちょっとびっくりしました。

確かに精度は上がっているようです。

でも、翻訳の仕事がなくなるか・・・ということについては、懐疑的です。

実は以前にも、これに似た衝撃が翻訳業界を襲ったことがありました。

一度目は15年以上も前、翻訳メモリという「過去翻訳リサイクルソフト」が導入されたとき。

二度目は数年前、機械翻訳が進化して、機械翻訳のポストエディットという仕事が増えて来たとき。

ちょうど2年半ほど前に「機械翻訳の後編集案件の増加に思う」という記事を書いています。

「機械が翻訳したものを直してちょうだい」という仕事が増えて来たことに対して、当時は「機械と人間がうまく共存できればいい」と思いながらも、将来を心配していました。

さて、あれから2年半が経過した現在、どうなっているかというと・・・。

機械翻訳の編集案件は、なじめないので断っているうちに、一切打診が来なくなりました。

(翻訳メモリを使う案件は、相変わらずたくさん来ていますが・・・。)

しかし仕事は減っていません。

そして当時心配していた「仕事を干される」ということは、少なくとも私には起きていません。

ただ、仕事の内容はちょっと変わっているかもしれません。

機械翻訳で間に合う、「大体の意味がわかればいい」と言った仕事は減っています。パソコンのマニュアルなどの翻訳案件は一昔前と比べるとずいぶん減りました。ひょっとするとこういう文書の多くは、機械翻訳で処理されるようになっているのかもしれませんね。

そういった単調な仕事が減る一方で、某ホテルチェーンのホームページや保険商品の販促資料、立候補声明文、人材育成指導書など、単に「意味がわかる」レベルを越えて、読者の感情に訴える文章が求められる案件は増えています。

「意味がわかる」だけでは、お客様は「購入」ボタンを押して下さいません。

お客様(読者)が読んでいて気持ちよくなる。

買いたいと思う。

そんなふうに心を動かす文章が必要とされる・・・。

そういう翻訳のお仕事が増えているように思います。

その実体験を踏まえると、翻訳の仕事がなくなることはないのではないかと思います。

時々、一流のホテルやレストランに行くと、無人のピアノが自動演奏していることがあります。

それはそれですごいなあと思うけど、技術に感心するだけで演奏にはあまり感動しない。

自動ピアノの影響でピアニストの数が減ったという話も聞いたことがありません。

翻訳も、機械翻訳で間に合う部分は機械翻訳に取って代わられるかもしれません。

でも、微妙なニュアンスや仄めかしを理解し、「空気を読む」「あえて翻訳しない」と言った行為は、機械にはできません。

そういう人間としての「塩梅」的判断が求められる高度な作業は、今後も人間翻訳者の腕の見せ所として残って行くのではないかと思います。

そういえば先日、イギリス在住の通訳者、平松里英さんとおしゃべりしていたら、里英さんが面白いことをおっしゃっていました。

「私は通訳・翻訳という仕事は永久になくならないと思う」というので、

「何で?」とたずねると、

「欧州には、フランス語、ドイツ語、英語など数か国語を自由に操るお客さんがたくさんいるんだけど、そういう人ほど通訳を雇うんですよ」って言うんです。

「自分で何か国語も話せて理解できるんだから、通訳なんていらないんじゃないの?」と聞くと、

「そう思うでしょ?でも実際は違うんです。

複数言語ができる人ほど、たった一語の誤訳が命取りになることをよく知っている。

自分が気がつかないところが一番怖い。

だから相手の言うことがわかっていても、あえてプロの通訳を雇うんです」・・・って。

私はこの話を聞いて、妙に納得してしまいました。

だって誤訳のせいで人生が大きく変わってしまうことだってあるわけですからね。

どれだけ危険かは、数か国語を普段操っているご本人が一番よくご存じなんですね。

まあ、そういうわけで、2度の「産業革命」を経験してきた私が思うのは、翻訳者・通訳者の仕事はなくならないだろうということ。

(機械に毛の生えたような翻訳しかしない/できない翻訳者は、話は別ですが・・・汗)

ただ、時代の流れに従って、仕事の内容が多少変わることはあるかもしれません。

私たち翻訳者は、時代のニーズに柔軟に対応しながら、常に成長する努力を怠らずに歩んで行くことが必要だと思います。

そうすれば、翻訳業界の人間と機械の共存(分業)は、十分に可能なのではないかと思います。

お読みいただいてありがとうございました。

追伸:「みんなの英語ひろば」第7回目の記事が掲載されています!

お読みいただければ嬉しいです。

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