バックトランスレーション

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皆様、こんにちは!
お元気でお過ごしですか?
昨日、Linguistic Validation(言語検証)という仕事をした経験について書いたところ、日本在住の翻訳者さんから「興味深いお仕事でしたね」とコメントをいただきました。
他の方にも聞いてみたら、
「日本国内の翻訳者さんは、翻訳って言ったら翻訳だけに専念するケースが多い。
チェックはチェッカーさんの仕事」
・・・っておっしゃる翻訳者さんもいらっしゃるんですよね。
・・・ひょっとして日本の翻訳者さんは、チェック(校正)や品質チェックのお仕事をされることって少ないんでしょうか?
海外の会社とお取引していると、何でも来ますよ。
そもそも日本語ができる人が絶対的に不足していますし・・・。
おそらく海外の会社は、日本語だけじゃなくて30カ国語とか多言語を一度に扱っているから、「フランス語」「日本語」などの括りで一人に任せたいんじゃないか?・・・というのもあると思います。
そこで今日は、日本の翻訳者さんは対応することが少ないんじゃないか?・・・と思う仕事について書いてみたいと思います(勘違いだったらごめんなさい)。
・・・ということで、今回ご紹介するのは、「バックトランスレーション」というお仕事。
読んで字のごとく、「逆翻訳」。
何をするかというと、一度翻訳されたものを、原文に翻訳し直す作業です。
わかりやすく例を挙げて説明すると、
原文:I like dogs.

翻訳:犬が好きです。
って文があったとします。
だけど何らかの理由で、日本のお客さんが「犬が好きです」って訳文を気に入らなかった。
クレームがついた。
でも米国の会社は日本語が読めないから、なんでお客さんが怒っているのかがわからない。
原因を探りたいわけです。
そこで、まったく事情を知らない翻訳者が呼ばれて、この「犬が好きです」を英語にしてみろって言われるんです。
訳文を逆翻訳させてみて、
翻訳:犬が好きです。

逆翻訳:I like dogs.
になるかどうかを調べる。
これがバックトランスレーション。
逆翻訳が「I like dogs」って英語になっていれば、「意味は正確に訳せてますから、翻訳は間違ってない。うちの落ち度ではなかった。文体とかお好みの問題だったんですね」とか言えるんです。
だけど「犬が好きです」だけ渡されて、「I like dogs」なんて完璧に再現するなんて、ありえないですよ。
「I love dogs」って翻訳しちゃうかもしれないし、「My favorite pets are dogs」って言っちゃうかもしれない。
こんな簡単な文章でさえ、これだけいろいろ訳せちゃうんだから。
長くて複雑な文章になったら、ますますややこしいことになりますよ。
・・・そもそもこれって、伝言ゲームと同じ原理でしょ?
母国語で伝言ゲームをしたって、最後にはとんでもなく話が逸脱するわけだから・・・。
これを翻訳でやるなんて、無茶苦茶な話だと思うわけですよ。
それに元々の動機が、「何がいけなかったのか」を見つけるために逆翻訳するわけだから、目的が悪者探しでしょ?
最初から偏見が入っている。
だけど、「何も悪いところはありませんでした」では、お金を払っているお客様が納得しない。
何かお土産を持たせてあげないと、お引き取りいただけない。
・・・ということで、翻訳者はなかなか辛い立場に立たされるのであります。
なので、そういうお仕事はなるべく受けないようにしているんですが、たまに抜き差しならない状況に陥ることがあり・・・(泣)。
大抵は、あからさまな誤訳はあんまりなくて、文章のトーンが社風に合ってなかったとか、そういうクレームが多いです。
何しろ、「We」だけでも「弊社」「当社」「私共」「XX社」など、いろんな訳し方がある日本語ですから・・・
文体の雰囲気が合ってなかった、って事態はどうしても起きてしまうんです。
そんなときは「外部の翻訳者が社風まで汲み取るのには限界がありますから」って、英語で説明すると納得してくれますが。
まったく、ヤレヤレな火消しのお仕事であります。
でも、先週お手伝いした問診票の翻訳のようなお仕事は、いろんな解釈の可能性を探るという意味でバックトランスレーションが使われていたのが、ちょっと新鮮でしたね。
へー、クレーム対応以外の使い道もあるんだな、と納得した次第です。
・・・ということで、謎の職業・翻訳者の仕事をご紹介する試みの第二弾として、今回は「バックトランスレーション」についてご紹介させていただきました。
少しでも参考になれば、幸いです。

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    気温の変化に影響を受けないひきこもりニートです。何気ない日常がにほのぼのしました。私のブログを見ていただけると、ニートの実態がわかります。

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