数日前、NHKの朝の連続ドラマ「花子とアン」を見ていたら、主人公のはなが通う学校に、英語だけで過ごさなければいけない日があり、それが苦痛ではなが逃げ出そうとする、というシーンがあった。
逃げようとしているところを、先生たちに阻まれ、ネイティブスピーカーである英語の先生が、「Speak English!」(英語を話しなさい!)と言っている横で、ともさかりえさん演じる通訳役の先生が、「日本語を話してはいけません」と日本語に翻訳していた。
「Speak English!(英語を話しなさい)」
「日本語を話してはいけません」
「はなに英語を話させる」という目的を達成しようとしている点は同じなのだが、言語が変わると言い方も変わるものだ。
日本語と英語は、このように陰と陽のような対立する考え方をすることがある。
考えてみれば、他にも例がある。
日本語では、ちょっと席を外す時に、「ちょっと行ってきます」というが、英語では「すぐに戻ります」(I’ll be right back)と言う。
芝生などに立ち入ってほしくないような時に、日本語では「立ち入り禁止」というが、英語では「芝生から離れていなさい」(Keep off the grass)という。
ついでに言えば、日本語で「ちょっと買物に行ってきます」と書き置きをするところを、英語では、相手が書き置きを見る頃には過去の出来事になっているので、「買物に行きました」という。
・・・ちょっと例を考えてみただけでも、つくづく、コミュニケーションというのはいろんな言い方があり、物事にはいろんな見方があるものだということを実感させられる。
英語を勉強してよかったと思うことはたくさんあるが、その理由の1つは、世界は本当に広く、物事にはいろいろな見方があり、そのどれもが「間違い」ではない、ということ、
でも、「間違い」ではない多くの考え方の中から、自分にとってプラスになる考え方を選ぶ自由があること、
そして、そういう選択肢があるのだということを、言語学習を通じて実感したことではないかと思う。
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