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知っているようで知らない?アメリカ夏時間導入の背景と現状

知っているようで知らない?アメリカ夏時間導入の背景と現状

みなさん、こんにちは。ランサムはな運営局です🌸

11月に入り今年も残り2か月を切りましたね。

米国のほとんどの州では5日に夏時間(Daylight Saving Time/DST)から標準時間(Standard Time)へ切り替わりました。日本との時差もそれぞれのタイム―ゾーンからマイナス17時間に変わっていますのでご注意を🕰️

そこで本日は、米国で年2回行われる時刻変更についてちょっとだけ深堀した内容をお届けしたいと思います。

 

<夏時間の導入の歴史>

米国における夏時間は、第一次世界大戦時のエネルギー不足に対応するため日照時間の最大化を目的として始まり、その後廃止や再開など一貫性のない導入期間を経て、1966年に統一時間法(Uniform Time Act)によって実施の義務化、日程や期間が全米で統一されました。現在ではハワイ州とアリゾナ州(ナバホ・ネイション以外)をのぞく全ての州が夏時間を導入しています。

 

<時刻変更っていつするんだっけ?>

夏時間は3月の第2日曜日の午前2時に始まり、時計の針を1時間「進める」ので1時間失うことになります(午前2時から4時に飛ぶイメージですね)。11月の第1日曜日の午前2時に標準時へと戻る際には、時計の針を1時間「戻す」ので当日の朝はもう1時間多く寝ていられることになります。

 

<日照時間に活動できる時間は増えるけれど・・・>

ただし、1時間減っても増えても時刻変更が睡眠のパターンやメンタルヘルスに悪影響を及ぼすという研究結果は少なくありません。夏時間から標準時間へ切り替わる週には、自動車と鹿の衝突事故が16%増えることを示した研究結果もあります。

 

<時刻変更をなくしたい州がほとんど?>

全米州議会議員連盟(NCSL)によると、近年、州レベルで夏時間を通年で適用しようとする法案や決議は550件以上に上りますが、現在の連邦統一時間法は夏時間の恒常化を認めていません。また、夏時間の恒常化を目指す日照保護法案(Sunshine Protect Act)が2022年3月に連邦議会上院で全会一致で通過したものの、下院では審議にかけられる前に議会閉会となり廃案となりました(のちに起案者であるマルコ・ルビオ上院議員は2023年3月に同法案を再提出しています)。

 

米国ではもうしばらく年2回の時刻変更が終わる気配はなさそうです。

 

(執筆:運営局 田中三保子)

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