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翻訳しない翻訳

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皆様、こんにちは!
お元気でお過ごしですか?
先月から、「DMM英会話」様の「DMM英会話なんてuKnow?」という、英語に特化した知恵袋のようなコーナーのアンカー(回答者)を務めさせていただくことになりました。
これから少しずつ回答を増やして行きたいと思いますので、こちらの方もどうぞよろしくお願いいたします!
・・・ということで、昨日、3個ほど回答していたところ、質問の中に、1つ引っかかったものがありました。
はい車から降りて〜着いたわよ〜って英語でなんて言うの?
よくある光景ですよね。
お母さんが車で送り迎えしているような場合は特に。
・・・で、その状況を頭の中で思い浮かべてみたのですが・・・
「We’re here!」(着いたわよ~)
・・・って表現は、もう何度となく、耳にタコができるぐらい聞いた記憶があるんだけど・・・
「はい車から降りて」
・・・って、何度思い浮かべようとしても、思い出せない。
聞いた記憶がないんです。
うん?
私がど忘れしているのかしら??
・・・と思って、夫に確認してみました。
「ねえ、目的地に着いたので、寝てる子供たちを起こしたい時に、はい車から降りて~着いたわよ、って何て言う?」
・・・と聞くと、彼も少し考えてから、
「We’re here」
・・・って言うんです。
「寝てる子供たちを起こしたいときだよ」っていうと、
「Wake up! We’re here」としか言わない。
「でもさー、『はい車から降りて』って日本語には書いてあるのよ。そこがいくら考えても思い出せないの。まさか『Get out of the car』とか、言わないよね?」・・・と言うと、
「まさか!そんなダメ出ししたら、叱られてるみたいだよ!警官に『おい、降りろ』って言われたり、親が怒って『降りなさいっっっ!!』って言ってるなら別だけど」
・・・と言うんです。
やっぱり私がど忘れしていたわけではなかったみたい・・・(汗)
一安心しましたが・・・。
英語で「We’re here」と言った場合、「車を降りる」という行為は、後に続く行為として言うまでもないこと、と認識されるんですね。
なので、下手に訳さない方がニュアンスが正しく伝わります。
「言うまでもないこと」を無理に言語化すると、不自然になっちゃう。
どの部分を言語化して、どの部分を言語化しないか、っていうのは、語学学習で見落とされがちですが、大切なことですよね。
わかりやすくするために、英日翻訳の例を挙げてみますね。
英語から日本語に翻訳していると、よく、オンラインアンケートなんかで、やたらと「Oops!」とか「Close!」とか、やたらと間投詞が続く英文があるんですけど・・・。
これを無理矢理「おっと!」とか「惜しい!」とか、一字一句生真面目に翻訳されている方をたまにお見かけします。
でも、アンケートに回答している途中で「おっと!間違いです」とか言われても、あんまり嬉しくないですよね。
(てか、ふざけてんのか!って腹を立てる方も多いと思います・・・汗。)
文芸翻訳とか映像翻訳で、その場の雰囲気を忠実に伝えなければいけない・・・っていうような場合は別です。
でも、アンケートの翻訳なんかでは、「おっと!」なんて、あえて翻訳しないのが普通です(まあ、たまに見かけますけどね・・・汗)。
気持ちよく回答していただくのがそもそもの目的ですから、その目的を達成できない翻訳は、ダメなんですね。
「翻訳しないのが、翻訳」という場合もあるんです。
何を言語化して、何を言語化しないのか。
そういう「文化ごとの考え方のクセ」みたいなものが言語に反映されているのも、とても興味深いと思います。
こういうことは追々、学習を進めて行くなかで、少しずつわかるようになって行くことですが・・・。
それにしても、本当に言語って、奥が深いですよね~。
ちなみにちょっと脱線しますが、私がいまだに英語にできない日本語の表現。
それは「ヨイショ」です。
「痛い」は「Ouch」って言っちゃうし、それこそ「おっと!」は「Oops」ってすぐに出てくるんですけど、「ヨイショ」はいつまでたっても「ヨイショ」ですねえ。
ちなみに、アメリカ人の夫も「ヨイショ」って言ってます(笑)。
英語で「ヨイショ」って、ないと思うなあ・・・。かなり無理しないと表現できないと思う。
まあ、そこまで無理して英語で伝えなければいけない言葉でもないか・・・。
お読みいただき、ありがとうございました!

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