ドライブスルーの進化

/ 翻訳者・著述家

締切に追われる仕事をしているせいか、もともと家事が苦手なせいかよくわからないが、日本でもアメリカでもドライブスルーやテイクアウトを利用することが多い。
アメリカの他の州は知らないが、テキサス州はずいぶんいろいろな種類のドライブスルーがある。ハンバーガーやフライドチキン、ドーナツはもとより、スターバックスのドライブスルーもあるし、ドラッグストアで処方箋の薬を受け取るときや、銀行に小切手を入金しに行ったり、お金をおろしたりできるドライブスルーもある。車社会だなあということを実感させられる光景だ。
ドライブスルーは便利だけれど、ゆっくり商品を選ぶ時間がないので、初めて行く店でドライブスルーを使うのは緊張する。マイクに向かって注文を伝えるのも、相手が注文内容を確認するのを聞くのも、焦っていたり雑音が多いとやり取りが難しい。特にアメリカでは、自分も外国語だし、相手もすごいアクセントがある場合もあるから、至難の業である。
・・・と思っていたら、ドライブスルーの進化形にお目にかかった。
いつ頃から登場したのか知らないが、「カーブサイド・テイクアウト」というのができていた。
これは、電話やネットであらかじめ注文をしておき、注文の際に自分が運転する車のライセンスプレートの番号や車の種類・色などを一緒に伝えておくと、レストランに到着したときに店員さんがお店から走り出てきて、注文した品を車まで届けてくれるのだ。支払も店員さんがワイヤレス端末を持参するので、車に乗ったままでクレジットカード決済が行える。
メインの玄関とは別に、カーブサイド・テイクアウト専用の玄関と駐車場が用意されていて、お持ち帰りを届けてくれる店員さんもその出入口を利用している。
こんなの10年前には存在しなかったと思う。
ちょっと調べてみると、カーブサイド・テイクアウトというのは、ドライブスルーと違って車の中で包み紙を開いて食べるものではなく、ステーキとかパスタとか、お家で食卓に乗せていただくものが多いそうだ。共稼ぎできちんとしたものを作るヒマはないけれど、ファーストフードよりは手の込んだものをお家で食べたい家庭のために、ファミリーレストランが始めたサービスなのだそうだ。
真偽のほどはわからないのだが、聞いた話では、これは監視カメラが普及してからできたサービスらしい。
監視カメラというと、何かいつも見張られているみたいで窮屈な気がしていたけれど、こういうふうにお持ち帰りの品を車まで届けてくれるためにカメラを使うという方法もあるのだな、と何だか感心してしまった。
サービスの質を上げるためにカメラを使うというのは、新しい発想じゃないだろうか。
銃社会だとか厳重な警備とか、恐ろしいイメージが先行してしまいがちなアメリカで、同じ監視カメラでも市民の生活の質を上げるための使い方を考えている人がいると思うと、何だかほっとしてしまう。

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