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珍訳・迷訳・・・!?(涙)

皆様、こんにちは。
いや~、聞いてください。
先日、えらく大変な仕事を引き受けてしまいました・・・。
仕事自体は、他の方が翻訳したものをチェックする、いわゆるチェッカーのお仕事でした。
内容は、自己啓発系セミナーの講師用マニュアル。
まあ、平易な文章で書かれているマニュアルです。
ところがこの翻訳が、フタを開けてみると、機械翻訳を彷彿とさせるほどの誤訳・珍訳のオンパレードだったのです。
あんまり詳しいことは言えないですけど、特に印象に残ったものとして1つだけ例を挙げると・・・
「general」って「一般的」って意味が一般的なんですけど、なぜか訳文では「大将」なんて訳されている。
「一般的な回答」が「大将の応答」って書いてある。
軍事関連とか歴史ものならわかるけど、自己啓発で「大将」はおかしいと思うんですよねぇ。
訳文を読んでも意味不明・・・。
・・・ひょっとして、グーグル翻訳にかけたのかな?と思って、試しに原文を入れてみたのですが、グーグル翻訳でも「general」は「一般的」と訳されている・・・
グーグル翻訳の方がマシって・・・(泣)。
マジですか?
これに加えて、「機械で人間翻訳を加速」などと謳っている翻訳ツールを作業に使うように指示されていたのですが、ここに組み込まれている辞書が、使い物にならないお粗末なレベルでした。
「You」の意味が「あなた」じゃなくて「汝」と出てくる。
それに「Will be」は「ケ・セラ・セラ」だって・・・。
「大将」だけでもびっくりなのに、「汝」とか言わないで欲しいです。
・・・とにかく、このままでは使い物にならないということで、突貫工事的に大幅に手を入れ始めました。
ですけど、ここまで大がかりな書き換えって、実は一から訳し直すよりも大変・・・と私は思います。
たとえて言うなら、焦げ付いたカレーが目の前にあって、本来シチューを作らなければいけないところを、まずいカレーができてしまったから、これを何とかシチューに変えろ、と言われているみたいな?
必死になって生クリームを入れてみたり、水で薄めてみたり、いろいろやってみるんだけど、どうがんばっても焦げたカレーの色や味はどこかに残ってしまう。
いっそのこと、このカレーを一回捨てて、一からシチューを作り直した方がよっぽど簡単だと思うのですが、時間的にも予算的にもやり直しはできない状況・・・。
・・・とまあ、そういうわけで、スープカレーライスシチューみたいなわけのわからない鍋をかき混ぜながら、途方に暮れていた私であります。
一応、焦げが目立たなくなる程度には直したつもりだけど、純正シチューとはちょっと印象の違うものになってしまったような・・・。
この得体の知れない料理を食べさせられる読者の方々にも申し訳ないなあ。
お腹を壊さずに食べてくれればいいが・・・。
・・・なんて考えながら、何とか形にして提出しましたけど、エネルギーを消耗する割には、不完全燃焼の終わり方になってしまいました。
なんだかなあ。
翻訳者だって、人それぞれ。
得手不得手もあるし、駆け足になってしまうこともあります。
いろいろな事情があると思います。
・・・だけど、どんなに不都合な状況であっても、チェッカーさん(ひいては読者)の精気と活力を吸い取っちゃうような翻訳を提出することだけは、あってはならないなぁ・・・。
今回の一件を通じて、自戒の意味を込めて、ほんとにほんとに気を付けなくちゃ・・・と、思ったのでした。
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珍訳・迷訳・・・!?(涙)」への6件のフィードバック

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    それは大変でしたね!!!(^^;
    私もボランティアで翻訳・通訳コーディネーターっぽいことをしていた時代、人に頼んだ翻訳を自分がチェックしていて全く同じような気分になったことが…。「こりゃイチからやり直しちゃったほうが早い」的な(´▽`;)
    私の場合はみんなボランティアで料金が発生しない話だし文句も言えなかったのですが、まがりなりにもプロとしてお金をもらって翻訳する人がそのようなお粗末なお仕事をされるとは、ビックリです。
    ほんとにお疲れさまでした!(´▽`;)

  • baba-neko

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    これ、めっちゃわかります。以前、チェッカーとして受けた案件で、訳文がまったく使い物にならなくて、ほとんど訳し直しをしたのですが、チェックということで時間がめっちゃ限られていたし、もちろん¥のほうも・・・それ以降、チェックの仕事は「原則」受けないことにしましたよ。
    それに、だいたい、こういうキワモノは稀(?)として、他の人の訳文に手を入れるのって、同じ翻訳者として、結構キツイですよね。
    お疲れ様。

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    >チョココさん
    ありがとうございます。そうですねぇ。特に海外にいると、日本語ができるというだけで、翻訳業の看板を掲げる、「自称」翻訳者もいるので要注意です。ふるいにかける方法があまりないし、翻訳会社の人も日本語が読めないのでそのまま行ってしまうんですよね。だからすごいピンキリだと思います。
    ほんとにボランティアなら笑って許せるんですけどねぇ・・・。

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    >baba-nekoさん
    ほんとにチェックの仕事は当たり外れがあるから怖いですね。私も受けるんじゃなかったと後悔しました。他の翻訳仲間に聞いたら、その人はまずファイルを見せてもらってから、受けるかどうかを決めるそうです。なるほどねぇと思いました。
    翻訳者って、翻訳好きな人はチェックの仕事があまり好きじゃないし、チェックが好きな人は翻訳があまり好きじゃない傾向がありますよね。たまには両方やってもいいと思うけど、私も基本的には人様の翻訳を直すよりも、自分で翻訳した方が好きですね。

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    ハンナさん、焦げ付いた料理にいろんな調味料入れて手直しする比喩、これは的確!ほんと、全部捨てちゃって、焦げたお鍋を洗って、最初から作らないと、焦げた匂いが残ってどうしようもないってわかります。ということは、私もハンナさんも、実は料理してて何か焦がした体験あり、なんですね(笑)。
    それにしても、Google翻訳よりもさらに低いレベルの機械翻訳というか、いったいどうやったらそいういう訳ができるのか、逆に知りたい!

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