海外の取引先から未払金を回収するために私がしたこと(1)

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皆様、こんにちは~。
先日から、作家の柳美里さんが、出版社の原稿料未払いを公表して、注目されていますね。
う~ん、あんなに有名な方でも、そんなことがあるんですね。
他人事じゃないよな~・・・と思いながら、見守っています。
「未払い」って、フリーランス翻訳者のような個人事業主にとっては、切実な問題ですよね。
何しろ、生活がかかっていますから。。。
フリーランス翻訳者って、発注元(エンドクライアント)から始まって、いくつか下請けを経て、いわばピラミッドの底辺のような立場・・・。
お客さんからの支払が遅れても、実質的にできることはほとんどありません。
組織的な後ろ盾も労働組合もありません。
とても弱い存在です。
私もフリーランスになって19年ですから、入金の遅れや貸倒を経験したことはあります。
長年商売をやっていれば、何かしらそういうことはあります。
大型案件などであてにしていた入金が遅れると、胃が痛くなるし、どうしよう・・・って気持ちになります。
特に海外と取引をしていると、トラブルが起きたときに何もできない無力さをしみじみ思い知らされます。
何しろ相手は海の向こうですから、おいそれと取り立てにも行けないですしねぇ(泣)。
飛行機代なんて払っていたら、とんでもない赤字になってしまいます。
私が住んでいた北海道富良野市なんて、札幌へ出るだけでもJRで往復4460円もかかっていたんです。
国内でさえ、そう気軽に外に出られる場所じゃなかった。
ましてや、海外の取引先なんて、遥か彼方・・・
まあ、冷静に考えれば、腹を立てて出向いたところでどうにかなるってわけじゃないんですが(-_-;)、世界から切り離されたような感覚で暮らしていましたから、心細さは半端なかったです。
大体、裁判を起こすにも、弁護士を雇うのにも、時間とお金がかかります。
何百万とか何千万という金額じゃないので、そこまでしなくても、と言う気もするし。
弁護士代で赤字になる可能性も大きい。
そうなると、本当に手立てがない。
それにフリーランスにとっては、「時は金なり」ですから、仕事ができない時間というのは、減益になってしまうんですよね。
そうなると、返って来ないものを追い求めてさらに時間とお金を失うよりも、確実に支払ってもらえるところから仕事を請けて埋め合わせた方が、二重の損失を防げる・・・というわけで、諦めてしまうケースも少なくないと聞いています。
日本在住の翻訳者のお仲間にも、私と同じような経験をされた方がおられるようです。
そんな恐ろしい話を聞いて、最初の一歩を踏み出すことをためらってしまう方も・・・。
どうも海外の会社との具体的な対応例というのは、あまり報告が多くないようです。
でも、まったく泣き寝入りしかないのかというと、そうではないと思います。
弱い立場であっても、できることはあります。
そこで今日はご参考までに、私が海外との取引で、未払い・延滞などが起きたときに、失敗や試行錯誤を重ねながら個人的に実践してきた対応方法を少しお話してみたいと思います。
(なお、この意見は、主に欧米・豪州・ニュージーランドの会社との取引体験を基にしています。参考になる部分もならない部分もあると思いますので、役に立つ部分だけお持ち帰りください。)
1. プロジェクトマネージャー(PM)との関係を良好に保つ
一、二週間支払いが遅れても、催促したときに気持ち良く対応してくれる会社であれば問題ないのですが、催促しても対応が遅いと、何かがおかしいことに気づき、不安でいっぱいになるのが人の常・・・。
ついつい、強い口調で「何やってんですか!払ってください!(ボケ!)」と罵倒・糾弾したくなります。
プロジェクトマネージャーの連絡先しかもらっていないと、ここが窓口になるので、どうしてもこちらに矛先が向きがちになりますが・・・
私の経験では、これをやると逆効果です。
ただでさえ、英語のビジネスメールは、「!」とか「:)」(←スマイル)とか、日本の感覚からすると、ちょっと遊んでいるような軽い雰囲気。
温度差があります。
だから、日本のビジネスにふさわしい丁重な雰囲気でメールを書くと、それだけでも重厚でクソ真面目な印象・・・
これに加えて、メールの内容が怒りに満ちた苦情だったりすると、読む方は半端なく怖い。
震えあがります。
それに・・・。
大抵の場合、プロジェクトマネージャーは経理が支払いをきちんと行っているかどうか、把握していないことがほとんどです。
経理はきちんと支払いをしている、という前提で仕事を進めている。
だから、完全分業制で、自分は自分の仕事をきちんとこなしているので、何も悪くない、と思っているところに、ものすごい剣幕でメールを送りつけてこられると・・・
「自分の責任の及ばないことで責められても・・・」と気を悪くするか、逃げ腰になって取り合ってくれなくなったりします。
私の経験では、プロジェクトマネージャーと接するときに、会社側の人をひとまとめにして悪者扱いするのでなく、プロジェクトマネージャーはあくまでも自分の味方であるように接すると、うまく行く確率が高いように思います。
つまり、
「あなたはいいPMだし、私はあなたと仕事を続けたいと思っている。
ただ、経理の対応が遅れているので困っている。
このままでは他の取引先を探さないといけなくなる。
しかし、あなたと仕事を続けられなくなるのは忍びないので、何とか力を貸してもらえないだろうか?」
という言い方をするわけです。
こういうふうに話を持って行くと、プロジェクトマネージャーとしても外注リソースを失うと自分の仕事に響くので、ひと肌脱いでやろうという気持ちになってくれる確率が高いような気がします。
とにかく、先方を全員敵に回してしまうと、誰もこちらのために経理に働きかけてくれる人がいなくなります。
誰にも相手にしてもらえなくなる状況は避けたい。
支払が完了するまで、きちんとメールの相手をしてくれる窓口も確保しておきたい。
なので、内心では腹が立っても、プロジェクトマネージャーを責めずに、「信頼している」というメッセージを送り続けることが大事ではないかと思います。
会社がひどい会社でも、社員が全員ロクデナシというわけではありません。
支払いが遅れる会社というのは、単に忘れているというのではなく、何らかの事情を抱えていることが多いです。
でも、なかには口には出さなくても、コントラクターへの支払いが遅れていることに心を痛めているPMもいます。
現に、支払いに問題がある会社で働いていたPMから、しばらく音沙汰がないと思っていたら、
「前の会社はコントラクターへの支払いがずさんなので辞めた。今度の会社は大丈夫だから、また私と働いてもらえないだろうか」
と連絡をもらったこともあります。
そういう展開になることもありえるので、プロジェクトマネージャーとの関係は、極力壊さないように接することをお勧めしたいと思います。
とにかく、会社の台所事情とプロジェクトマネージャーは切り離して考える。
そして、感情的にならずに、辛抱強く話し合いに応じる姿勢を崩さないようにすることが大切だと思います。
少しでもお役に立てたでしょうか・・・?
次回は、もう1つの対策として、「ネットワーク作り」の大切さについてお話したいと思います。

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5件のコメント

  1. ひつじ より: 返信

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    はじめまして。ブログを楽しみに拝見しているフリーランス翻訳1年目の者です。
    似たような経験をしたときに、経理業務とは関係ないプロジェクトマネージャーまで信用できなくなり、冷静な応対ができなかったことを、今さらながら反省してしまいました。
    アドバイス、これからの参考にさせて頂きます!

  2. SECRET: 0
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    >ひつじさん、コメントありがとうございます。少しでもお役に立てたようで嬉しいです。いろいろな翻訳者の方とお話をしていて、翻訳のスキルや英語力をつける方法はいろいろと出回っているけれど、いざ現場に立ってやり取りを始めたときに、どう立ち回ればうまく行くのか、というような知識が(特に海外とでは)不足している、という話を聞いたので、実践的な体験談(失敗談?)を少しでも参考にしていただけたら・・・と思ってお話してみました。でも、英語でやり取りするわけですし、お金が絡んでくると、クールに対応するのって難しいと思います。私も何度か痛い目に遭いました((-_-;)。ひつじさんはまだ一年目ということなので、まだまだこれから取り返せると思います。今後のご活躍を期待しています。(^O^)

  3. ひつじ より: 返信

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    >蘭野ハンナさん
    あたたかい励ましをありがとうございました!!
    フリーランスの仕事をする上で、先輩方の経験についてお聞きできることは、とても貴重だと感じています。これからもブログを楽しみにしております!

  4. SECRET: 0
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    >ひつじさん コメントありがとうございます。あまりアドバイスできるような立場でもないのですが、失敗談も含めて「ユーザー事例」みたいなものは豊富にありますので、これからも折を見てお話させていただければと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(^-^)/

  5. SECRET: 0
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    先ほど記事よみました!最近始めて他の人のブログ色々見てました☆分かりやすくて素敵な記事だと思います!また遊びに来ますね☆彡私は今東南アジアを旅しながら書いてます。よかったら仲良くしてください(・∀・)!でわでわぁ☆彡(*^_^*)

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